こんにちは、日和山薫です。宅地建物取引士として東京で不動産売買の仲介をしています。
不動産の売却や購入の現場で、意外と多く出てくるのが「水道管が隣の敷地を通っている」という問題です。一見わかりにくいこの問題が、売却価格や取引の可否に大きく影響することがあります。
どういう状態のことか
通常、各家庭の水道は前面道路に埋まっている水道本管から、個別に引き込み管を通して敷地に引き込まれています。ところが古い住宅や旗竿地などでは、この引き込み管が隣の敷地や私道の地中を通って本地に入っているケースがあります。昔は近所同士の黙認で済んでいたものが、土地の売買や相続で所有者が変わったタイミングで問題になります。
なぜ問題になるのか
①隣の所有者が変わると撤去を求められる可能性がある
現在の隣人が黙認してくれていても、新しい所有者から「撤去してほしい」と言われる可能性があります。撤去・引き直し費用は原則として管の所有者(水道を使っている側)が負担します。
②修繕したくても勝手にできない
老朽化・破損しても他人の敷地を掘らないと修繕できません。隣の協力が得られなければ工事が進みません。
③そもそも水圧が弱い
引き込み管が長距離・共用になっているケースでは水圧が低下します。シャワーの勢いが弱い、複数箇所で同時に使うと流量が落ちる、という症状が出ている場合は配管の経路を疑ってください。
④売却時に買主が嫌がる
将来的なリスクがある物件として価格交渉の材料にされます。
発覚したらどうするか
前面道路の本管から引き直す
最も根本的な解決策です。工事費用の相場は30〜80万円程度ですが、本管までの距離や難易度によっては100万円を超えることもあります。
すぐ引き直せない場合は、隣の土地所有者から「水道管の通過を認める」書面を取得しておくことが重要です。ただし口頭の許諾は第三者に対して効力がなく、土地が売買されると新所有者には対抗できません。必ず書面で残してください。
売却前に必ず確認すること
水道局で配管図を取得して経路を確認できます。問題がある場合は買主への重要事項説明が必要です。知っていて説明しなかった場合は損害賠償リスクがあります。「昔からこうだったから」では通りません。
まとめ
①他人の敷地を通っているケースは意外と多い
②所有者変更で撤去要求のリスクがある
③解決策は「引き直す」か「承諾書を取得する」か
④承諾書は必ず書面で
⑤売却前に配管図を確認し買主に説明する義務がある
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日和山薫(ひよりやま かおる)
宅地建物取引士
東京全域の売却・購入・住み替えをサポートしています。複雑な案件を得意にしています。
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